プロパガンダ 3/6

昨夜のNY市場は「ダウ史上最高値段更新」。

? 3月4日 19面「経済教室」(祝迫 得夫 一橋大学教授)の最後の方に強烈な提案がある。能天気に国債を買い集める金融機関首脳陣への警告である。「本稿では、マクロ経済政策の是非を問う気はないが、過剰な金利リスクを背負い込んでいる金融機関側の責任は明確だ。金利リスクの存在を前提としたリスク管理を進める他の金融機関がある以上、それに気が付かなかったということはあり得ない。にもかかわらず、金融システムの一部にリスクが集中する状況が発生した背景(フジマキ注:一部の金融機関が大量に国債投資に傾倒していること)には、金融機関同士の横並び意識や、金利の急上昇が起きるころには自分は1線を退いているとか、政府・日銀が助けてくれるといった経営陣の甘えの意識が会ったことは想像に難くない」さらに、この論文は「国債金利の上昇でこれらの金融機関が経営困難に陥った際には、預金者や年金加入者に最低限のセーフテーネット(安全網)を提供するにしても、彼らを含んだすべてのステークホルダー(利害関係者)が応分の痛みを感じるように、充分な責任を取らせるべきである」と結んでいる。
まさに同意だ。万が一の時には「自分は1線を退いている」と思っている経営者は、米国だったら株主訴訟で責任を追及され退職金は没収だろう。能天気に国債を買い集めていた銀行にした預金も返ってこなくて当然だろう。

全く同感。原子力政策もそうだったし、政府の財政もそう。

日銀総裁・副総裁候補が2年以内にインフレ率を2%にすると発言しているにも関わらず長期金利が下がっている。インフレ率が2%になるのなら長期金利は3%を超えると考えるのが常識だ。そういう風にマーケットが反応していないのは、まさに上記4の?で取り上げたように、祝迫得夫一橋大学教授おっしゃるところの「金利の急上昇が起きるころには自分は1線を退いている」なのかもしれない。

日本の債券市場は先を織り込んでいない、短期的にしか見ていない、自分の任期中に起きなきゃいいと思っている、ということのようで...。