プロパガンダ 4/12

http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2013/04/post-173.html

私の総括はもっと単純だ。ひとえに「20%の円安が起こったせい」だ。「円安による景気回復」は私が20年来、主張し続けた政策であるが、それが今起きているに過ぎない。すべては円安ありき、なのだ。
と、いうことは、ここで円安が止まれば、脱デフレや経済成長への期待は急速にしぼむだろうし、アベノミクスもそこで息切れだ、ということだ。
その円安であるが、私はまだまだ続くと思っている。理由のひとつは「国力に比べて円のレベルは、まだ異常に高い状況」と思うからだ。

ここから先が興味深い。学者先生の「実質為替論からすれば、もう妥当な水準だ」という意見に対し

机上の学問では、この計算に必要な製造価格の計算に消費者物価を使っている。しかし製造コストは消費者物価とは連動して動かない。コストの大きな構成要素である労賃が消費者物価の計算に入らないからだ。日本の場合、人件費は、かなり下方硬直性がある。たとえ消費者物価が3分の1になっても給料や企業の負担する社会保険費は3分の1に下がりはしないだろう。

と、経済統計の細かいところを指摘。さすが市場で勝負してきたプロの投資家。

為替は価格の一部だから「自社製品が外国製品より高すぎる」という感覚は、まさに円が強すぎるという感覚なのだ。それは輸出品だけでなく国内市場でも同じだ。円が強すぎれば、国内市場でも外国製品に値段で負けているぞ、と感じるわけだ。 

「為替は価格の一部」...重要な視点。