プロパガンダ 5/2

http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2013/05/post-178.html

昨日(5月1日)の3面「住宅金利、3メガ銀引き上げ」の記事は重要である。

一番のポイントは「みずほ銀行では年明け以降、住宅ローンを借り替える顧客の5割超が固定型を選ぶようになった。昨年は固定型の割合は2割にとどまっていた」という部分である。

個人と同じように企業も長期金利の上昇に備え社債発行の意欲が高まっているようだ。

アベノミクスで景気が良くなれば、長期金利は上昇をはじめるだろう。(いい金利上昇)、そうなると財政破綻を市場が意識し始め、クレジットリスクの上昇(悪い金利上昇)により、金利上昇スピードは大幅に加速すると思うのだ。

これだけの累積赤字が溜まり、黒田日銀の異次元の量的緩和を見れば、金利上昇に対する備えをするのが当然の感覚かと思う。

長期金利は今が底で、良かろうが悪かろうが金利は上昇すると思えば個人も企業も長期固定金利で資金調達する。日銀がJBGを買っても長期金利は下がらない、逆に上昇したりする。
日銀もそれがデフレ脱却の過程とわかっていることでしょう。「長期金利が逆に上がった」と騒ぐメディアとか識者って、いったい何なのでしょう。

円安方向への動きが一時的に止まっている。一時的なスピード調整にすぎず、まだまだ円安は進むと思う。

経常収支も赤に向かうし、異次元の量的緩和に資金需要増が動き始めればマネーサプライは大幅に増大するだろうし、家計部門が円を売って外貨資産を買うかも知れないし、...。

ここで円安が止まってしまえば、アベノミクスもここまでであろう。円安が加速した場合、財政問題が注目される(国債を買う円資金があるか否かの問題)と思うが、ここまで来た以上、安倍首相は円安をここでやめアベノミクスを中途半端に終わらせるわけにはいかないであろう。安倍政権は大きな賭けに出たわけだから。

円を安くするためリスク資産インフレを起こすための手段としての異次元の緩和と理解していますが、この後うまく調整できるか否かが「大きな賭け」なのでしょう。

賭けであろうとなかろうと、日本再生を図るのなら、それは私の20年来の主張である「大幅円安」しかないと強く信じている。それがマクロ経済の実務家としての感想だ。机上の学問をしてきた方とは違うかもしれないが。

円安が景気に効かないと主張していた識者の今後の発言に注目。バブル期にイケイケだった識者は10年ぐらいはおとなしくしていたように記憶しているが。