プロパガンダ 5/6

http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2013/05/post-179.html

財政は刻一刻と悪化している。アベノミクスでは景気は回復しても財政は改善しない。それどころか景気回復による金利の上昇や国土強靭化計画での財政支出増は財政悪化を加速させる。

PBとは国債の元本返済と金利支払い(国債費)を除いた話である。PBの赤字がなくなった後でも、現在の国債費の約22兆円分の赤字は、毎年増え続けるわけだ。

累積赤字を減らすためには、国債費を含めた単年度の収支を黒字化することが必要なのだが、その方法をだれも見出していない。13年度の予算案では、税や印紙など47兆円の収入に対し92兆円を支出し、45兆円の赤字である。これを黒字化するのは至難の業だ。消費税率を5%から10%に上げたとしても約10兆円しか赤字は減らないからだ。

原子力でも都合の悪いことは見ないことにして大惨事を引き起こしたが、財政についても都合の悪いことは見ないことにして別の大惨事を引き起こすのだろうなあ。

円が70円台と高すぎた故に、安倍首相の『円が強すぎるのが問題だ』発言でレベル修正が起こり、株価の上昇が起こり、景況感が激変した。『円が高すぎるのが日本の大問題』と日本の首相で初めて声を大にして叫んだ安倍首相は賞賛に値する。しかし、ここで円安進行が止まれば景気も急速に勢いを失うだろう。

黒田日銀が行った『異次元の量的緩和』では円安は進まない。

その理由は

じゃぶじゃぶにしても日本では海外にお金が流れず国内に留まってしまうからだ.1980年代後半はじゃぶじゃぶのお金が国内不動産と国内株に流れ込んだ。今は日本国債に流れ込んでいるだけだ。

そこで

円安進行のためには、お金を海外に流す仕組みが必要だ。それは日銀ではなく政府の役目だ。

とロジカルな指摘。

資金供給は日銀が国債を購入すれば簡単にできるが資金吸収は難しいのだ。日銀保有国債を誰かに買ってもらわなければならないのだが、インフレが始まった時、将来、暴落が予想される国債は誰も買わない。

日銀は安値でJGBを売らざるをえないということが長期金利やインフレ期待を更に上昇させる。そういうわけで適切なタイミングでマネタリーベースを減らすことは困難で、マネーサプライの制御は更に困難で、インフレが思う存分に走る可能性はかなり高いと。
わかりやすく勉強になるプロパガンダでした。