中国の中央銀行
ユキカゼ艦長のユキカゼ掲示板
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への書き込み
○人民銀行の資産
海外資産 7.5 兆元
(↑主に米国債と思われるが詳細は未発表)政府関係の債券 1.0 兆元
金融機関の債券 1.9 兆元
その他資産 1.2 兆元合計 11.6 兆元
○人民銀行の負債
発行通貨 2.6 兆元
預金 3.7 兆元
債券 3.0 兆元
政府貯金 1.4 兆元
その他負債 0.9 兆元
を受けて
中央銀行が自国通貨売りの為替介入する場合、
(1) 外国為替を扱う(保有する)銀行(銀行Aとする)に外貨買いの注文を出す。
(2) 代金の決済で、中央銀行の資産の部に外貨がふえ、同時に負債の部の銀行Aの中央銀行にある当座預金が同額(外貨購入代金)増える。
(3) 銀行Aは無利子の当座預金に資金を転がしていてもしょうがないので、企業Bに貸し出すことにする。
(4) 企業Bは様々な支払いのために現金を必要とすると、中央銀行にある銀行Aの当座預金が減り、紙幣が市中に出、中央銀行の負債の部の発行済み紙幣が増える。
(5) 中央銀行とて外貨を現金よりも利子がついたほうが良いので、きっと外国政府の国債を買う
こういうわけで自国通貨売り介入はマネタリーベース(発行通貨+中央銀行の当座預金)を増やし、金融緩和(景気刺激政策)となる。
人民銀行の負債の部には債券という見慣れないものがあります。何これ?、なぜ中央銀行が債券発行して資金調達するの?
そうか、人民銀行は必死で紙幣を回収している(つまり金融引き締めている)!
通常、引き締めは債券売りオペで紙幣を市中から回収しますが、人民銀行の場合、自国通貨の債券をもはやそんなに持っていない。かといって外貨資産を売ると人民元が上昇する。苦肉の策で、紙幣を回収するために中央銀行が債券を発行し利子を払っている!
為替の安定と、自由な資本移動と、独立した金融政策(政策金利)の3つを同時に実現はできませんが、中国の場合、為替をドルにリンクし資本移動に制約があるので、金利はドル金利+α。せっかく外国債で稼いだ利子が中央銀行債券の利子に消えてしまいます。
人民元のドルリンク維持はαにともなう支出と資産の部の人民元立て資産の残高に依存していると言えるのではないでしょうか。時間の問題かも知れません。いっそ海外資産をすべてドル債券にすれば、100%ドルにリンクする。でもFRBに金融政策をゆだねることになるのでつらかろう。
こういう事情もあり、中国の金融政策担当者が景気引き締めのために人民元引き上げを云々というニュースが流れたのでしょう。