「まっとうな経済学」 by ティム・ハーフォード ランダムハウス講談社

少し前にでて書店に平積みされている別の本のタイトルを意識したような日本語版タイトルですが、オリジナルタイトルは "The Undercover Economist" こちらの方が内容を語っています。
カフェイン中毒患者でユーモアたっぷりの著者が現実世界の様々な現象をミクロ経済学の理論を用いて経済学的に解き明かす。教科書の理論を実地で応用するためのトレーニングとしてもってこいです。
これは何故その価格か? 日ごろ何気なく店先で見ている価格も奥が深い。
実ビジネスでは希少性を持つポジションを取り合おうとライバル同士あるいは売り手と買い手の間で熾烈な化かし合いをします。ファンダメンタル投資の場合は希少性の上にうまく居座る能力も持ってそうな会社を探します。トレーニングを積んで著者のような"Undercover Economist"の目をもつと、毎日がより楽しくなるかもしれません。

まっとうな経済学

まっとうな経済学

コーヒーついでに。

マクロ投資(つまり景気サイクルに応じて株を買ったり債券を買ったり)の投資本はあまり見かけません。藤巻さんがおっしゃるように頭脳プレーで勝負できるので個人投資家向きと思うのですが、わくわくどきどき感やギャンブル性に欠け一見難しそうに見えるので出版社受けしないのでしょうか。私の投資がうまいかへたくそかはさておき、経済がどう動くのかを考えるのは面白いと思うのですが。
数少ないうちの1冊。
ブラジルに雨が降ったらスターバックスを買え by ピーター・ナヴァロ ダイヤモンド社

このほかに大竹真一さんの著作のあちらこちらから景気サイクルの重要性を読んだものです。例えば
不況でも「上がる株」が見つかる―在庫循環モメンタムと株価分解モデルで読む