ウォールストリート流合理的株式投資の考え方 by 大竹慎一

これも暗中模索していた頃BookOffで買い読みノートに書いた私のメモです。


CF = 純利益 + 減価償却 株主へのキャッシュベースのリターン

購買力平価 Purcchasing Power Parityが成り立つならば
Pj = E・Pu
Pj 日本の物価、Pu USの物価、E 為替レート、とすると
E = a ・ Pj/Pu
物価の絶対水準の代わりに相対値(Pj/Pu)と定数aを使う。

為替レート決定のマネタリーアプローチ

名目マネーサプライ Mj, Mu
実質マネーサプライ Mj/Pj, Mu/Pu (名目を物価水準でわる)
実質貨幣需要 Lj, 実質GDP Yj, 両者の関係を Lj = Yj^b (b>0) とすると
ln Lj = b・ln Yj
貨幣市場が均衡していれば Mj / Pj = Lj (実質マネーサプライ = 実質貨幣需要)
ln Pj = ln Mj - b・ln Yj
ln Pu = ln Mu - b・ln Yu
また、
ln E = A + ln Pj - ln Pu, A = ln a とする
したがって
ln E = A + (ln Mj - ln Mu) - b・(ln Yj - ln Yu)
ln E(t+t) - ln E(t) = ln {E(t+t)/E(t)} = e と表現すれば
e = (mj - mu) - b・(yj - yu)
このモデルでは、為替レートの変化率は、両国の名目マネーサプライの変化率の差と実質GDPの成長率の差で決まる

  • アメリカ経済が日本経済よりも強い(実質経済成長率が高い)ならば、円安側に作用
  • 日本の名目マネーサプライがアメリカのそれよりも増加率が高いならば、円安側に作用

藤巻さんの主張は、「(経済が)強い国のリスク資産を買え」、「マネタリーベースが大幅に増加した円という通貨を持たない」というものですから、このモデルが示すことそのままです。

合理的価値水準から大きく上に上昇したとき、金利上昇、流動性低下(マネーが不足気味になること、金融引き締め)が発生すればクラッシュが起きる。
クラッシュが予知されたら、高β株をはずして低β株を買う
クラッシュ中: 何もするな、嵐が過ぎてから戻り売りをすればよい
クラッシュ後: 市場が注目するセクターが変わる

マネーサプライの変動後、2年ほどでインフレ率が変動する。インフレ率が変化しそうならば長期金利も動き出す。

株式のValuationを規定するのは金利、PriceとCFと金利でValuationする。

マーシャルのK = マネーサプライ / GDP
Kの長期トレンドは上昇(マネーの流通速度が遅くなる)
トレンド以上にKが上昇すると(注:インフレ率を押し上げない程度に)、マネーの流通速度が遅くなったぶん証券市場*1に滞留する。滞留すると資産をロングすることになるので → インフレ率以上に証券市場は上昇する。
Kがトレンドから離れすぎると過剰流動性相場となり、暴騰して暴落する。インフレ懸念で金利が上がりマネーが縮小するため。

ドル: 国際流動性の安定的供給のため、(90年代の前)Kはあまり変化しない。
PER = 20 - インフレ率

マネーサプライの指標に何を使うか?
US:マネタリーベース
日本:??? マネタリーベースとM1,M2,M2+CDが素直に結びつかないため

世界ドルマネタリーベース = USドル現金 + 銀行準備 + 各国中央銀行のドル準備

世界の貿易が盛んになれば、貿易の決済のためのドル需要(国際流動性)供給のため、USはドルを海外に流出させることができる。

あるいは、国際流動性が増えれば、貿易は盛んになりやすい。さらに国際投機もやりやすくなる、と言えるでしょうか。

*1:藤巻さん流にはリスク資産市場