バーナンキのFRB

あまり気に留めていませんでしたが読んでみたら、中央銀行の役割を知るという点で2章と4章が私にはとてもGoodでした。
バーナンキのFRB


2章より

C.ボリオとP.ローの論文は、中央銀行が追い求めてきた安定的な低インフレ率の達成そのものが金融の不均衡を拡大しバブルの温床になる、という皮肉な指摘を行っている。将来にわたってインフレ率が安定することが予見されると、企業や投資家にとっては先行きの不確実性が大幅に低減される。このため彼らの収益予想は強気に転じ、ひいてはユーフォリアが発生しやすくなるという。

あのバブルからもう20年近くになります。実質ゼロ〜マイナス金利を追い風にリスクテイキングが行き過ぎて次のバブルが起きると、

  1. バブルにブレーキをかけるべく日銀が短期金利をぐっと引き上げると政府が国債の借り換えで困る
  2. ブレーキをかけず放置するとCPIのインフレに転じ長期金利が上がってしまう。やっぱり政府が国債の借り換えで困る

一方、バブルを起こさず経済が回れば緩やかな資産価格上昇の資産効果で総需要が増えていくという好循環に乗れる。
藤巻さんが早め早めに緩やかに金利を上げるのがよいという意味がわかり始めてきました。


4章より
政府が中央銀行の利上げを牽制すると ... マーケットは経済の過熱からインフレを予測し長期金利が上昇していく。
なるほどー、ある限界(政府の利払い可能性)を超えると悪い金利上昇になるわけですね。