「バーナンキのFRB」 ASIN:4478290490 4章より
フェデラルファンドレートと米国経済の関係
- モーゲージ金利、社債金利、国債金利といった長期金利は経済に影響を与える。しかしFRBは直接長期金利に影響を与えることができない。
- FOMCは公開市場操作を通じて、超短期の金利(フェデラルファンドレート)に直接影響を与えることができる。
- 長期金利は現在の短期の金利だけではなく、市場の先行きの短期金利予想にも影響を受ける。つまりFOMCが長期金利をコントロールする力は市場の期待に働きかけられる能力にかかっている。
- 市場の先行きの短期金利予想に最も直接的に働きかける手法は”トーク”である。
藤巻さんは中央銀行総裁(福井総裁)の発言に注目しろというのは、中央銀行が長期金利がどう変化すると予想しているか、どう変化して欲しいと考えているか、がそこにこめられているからでしょう、きっと。
フェデラルファンドとは米国の銀行が連銀(Federal Reserve Bank)に置いている支払い準備預金の資金(Fund)のこと。
銀行は預金量に応じた一定比率の支払準備預金をおくことが義務づけられている。
銀行は日々の取引で銀行間決済を行うと、連銀の支払い準備が増減する。義務づけられた水準を割り込むと銀行の信用が傷つく。義務水準を上回っても利子がつかないので銀行としてはムダに資金を置きたくない。そこで、銀行間でオーバーナイトの資金を利子をつけて融通するのがフェデラルファンド市場。資金の卸売り市場で、取引単位は2億ドル。
FOMCが買いオペで市場から何かを買えば、その代金が銀行の支払い準備に振り込まれるので、資金の卸売り市場がマネーがあまり気味になり、銀行間資金融通のフェデラルファンドレートは低下する。卸売価格が低下すれば小売価格(小口の金利)も低下する。
FOMCが売りオペをすると、その逆がおき、フェデラルファンドレートが上昇する。そして小口の金利も上昇する。
日本の場合はコール市場ですね。