「これから10年 長期投資のロードマップ」 by 岡崎良介
岡崎さんは今後の景気。株・金利・為替の長期的なロードマップとアセットクラスの選択を示していますが、ここでは私はベテラン・ファンドマネージャが経済をどう見ているかに着目します。
- 作者: 岡崎良介
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2005/12/16
- メディア: 単行本
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以下は私がノートしたメモなので誤解があるかもしれません。気をつけて読んで下さい。
資本主義を貫く法則
- 資本主義は休むことなく発展しその影響を及ぼす範囲を拡大し続ける
- 資本主義において常に発生する景気の拡大と後退は絶えることなく循環を繰り返す
成長の限界は
1) 資金不足*1
2) 需要不足
人間の想像力が、景気の拡大と後退を引き起こす。変わるのは循環の長さ(より長く)と振幅(マイルドに)。
02年1月(景気のボトム)から1年3ヶ月も株価が低迷したのはなぜか
=> 株から債券への資金シフト。景気が回復し始めても株価は下がり金利も下がる。
ドルはFFレートに1年ちょっと遅行する。実弟経済の調整速度が遅いため。
日本の景気が米国に遅れる理由
米国景気過熱 → 金融政策(景気スローダウン) → ドル高 → 日本の輸出が好調(日本の景気も好調) → 米国景気後退に伴い日本の輸出の減少 → 日本の景気後退
日本の景気が米国に遅行することを株式市場は知っているため、日本の株価は米国景気で動いている。
何によって米国景気は後退するか?
米国は潜在成長率が高い、ほおっておくとドンドン景気が拡大しインフレになりやすい体質。
米国経済を殺すのは米国金利
実体経済はすぐに変化しないため、オーバーキルすることが時々ある。
FFレート > 名目成長率 + 4%
となるとオーバーキル、7ヶ月以内に景気後退。
リスクは政治にある。
GDP = 所得の総計、
米国 5%〜6%の成長 ... 楽観的になれる
日本 11年間に6%縮小 ... 期待も縮小する
日本はだらだらと所得と物価が減り続ける大不況、天文学的な財政赤字、金利ゼロ
恐慌 ... 資金不足からおきる。金本位制:世界大恐慌の原因。
バブルのころマネーサプライ M2+CD (信用によって何倍にも膨れ上がった一国のおカネの総量)の伸びが 約9%から約12%に増えた。短期金利を変えてもマネーサプライが反応するのは少し時間がたってから。日銀はオーバーキルした。
不良債権の回収 → 貸し出されたおカネの全体量が減る。
マネーサプライ | 500兆円 |
不良債権 | 100兆円 |
政府の景気対策 | 140兆円 |
政府は不良債権処理でマネーサプライを減らしつつ、財政赤字で(日銀が国債を買い)市場にマネーを供給した。
不況が大不況は恐慌に進展するプロセス --- カネを返せと迫ること
マネーサプライの伸び 3〜7% 正常
マネーサプライの伸び 5%以上で金融引き締めや増税 → 一過性の問題
マネーサプライの伸び 5%以下で金融引き締めや増税 → 経済はへたる、戻るのに1年。
増税 ... 本質的には所得移転
税金が民間に戻ればOK、政府が非効率な使い方をすると株式市場は下落する。10%以上下落すると景気が早く失速するかもしれない。小さな政府が重要。
人口減少で経済力が衰えるのは失業者がなくなってから。
ロードマップの役割
景気を軸に時代の流れを理解し、次に起こることを漠然とながらも予測できるようになる。
危機を未然に察知し資産を守る。長期の分散投資。
長期投資家の責任 --- 一国の経済に対する審判、過熱していると判断すれば株や土地を売り債券を買う。中央銀行と同様にブレーキをかける。景気回復のイグニッションキーをまわす。*2
ここから感想
長期投資化が注目すべき点は
そして過熱と冷却を感じたらアセットアロケーションする。
世界の経済の重心は米国!。米国との関係で日本を考える。だからこそシンプルな勝負を好む藤巻さんはもっぱらドル、米株、日経225、金利で勝負するのかもしれないと思いました。