構造改革と格差

広い視野でロジカルに分析をするJPモルガン証券の北野さんは私の「おっかけ」対象の一人です。
その北野さんが9月25日のJMMのメールマガジン構造改革と格差について興味深い視点の分析を示していました。もう少ししたらバックナンバーとしてこちらで公開されるでしょう。


北野さんによれば、(以下は私による要約)

  • 過去20年間にわたり「生産者主権」から「生活者主権」へ構造改革が進んだ。内外価格差という言葉は死語となった。
  • 生活者主権は確立されたように見えるが「豊かさを実感できる」ようにはなっていない。
  • 別の要因が内外価「格差」に変わる新たな「格差」を生み出したと考える。
  • カネが国境を越えて自由に移動する世界(グローバリゼーション)にあって、特に株主資本コストにおいて一物一価が成立してしまった。
  • その世界平均値である株主資本コストを、人口減少の結果、潜在成長力に劣る日本も使わざるを得ない。結果、株主は強く、その他のステークホルダーは疲弊する。

そして北野さんの結びは

 これからの時代は、日本の主権者となった生活者が、世界の構造改革の結果、日本の実力以上のリターンを求めるようになった株主と、富の分配を巡って争うという構図になるように思います。

株主資本コストにおいてグローバルな一物一価が成立したという視点はなるほど!です。


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