フリードマンの市場に関する見解

村上龍氏のメールマガジンJMMにて、慶応大学の土居丈朗准教授が、ミルトン・フリードマンの市場に関する見解を紹介していた。 フリードマンによれば

経済が小国であれば、利害対立もまだ小さく、市場がなくても利害調整できる方策があって、それでしのげるかもしれない。しかし、経済が大国となり、国民共通の目標を持つことができないほどに利害対立が大きくなれば、政治によってその対立を調整することはむしろ対立をあおるだけだ。出自や民族や思想を問わず、経済面から利害を調整する仕組みとして市場があり、市場を活用することで、対立しがちな利害を割り切って調整することができる

とのこと。
更に、土居丈朗准教授は

この発言の意図は、市場原理主義(これは、市場原理を嫌う側が揶揄してつけた蔑称なのですが)者でなくても、市場の役割を理解するのに役立つ含蓄のあるものだと思います。市場は、弱者を追い落としたり切り捨てたりする仕組みではなく、価格と数量を調整手段として用いて、人々の利害を調整する場なのです。利害調整は、政治の場などでもできますが、市場による調整は、政治による調整より多くの場合でうまく行くことは、これまでの資本主義における人類の知恵が証明していると言っていいでしょう。

と解説。

フリードマンのこの部分、「出自や民族や思想を問わず、経済面から利害を調整する仕組みとして市場があり、市場を活用することで、対立しがちな利害を割り切って調整することができる」、ナルホド!と思います。 おカネで割り切ることを嫌がる人もいるでしょうが、おカネで割り切れるとことはすごく重要。


追記 4/5
日本の場合、市場の経済全体に対する調整能力がよく認識されていないのだろうか?、それとも政治を握っている人達の中に政治的分配を行うことで大きなメリットを得ている勢力がいるのだろうか?