刺激的な本 「パラダイス鎖国」

パラダイス鎖国」は刺激的な本である。 新書の限りあるページ数にいろいろなサブテーマが盛り込まれており、それらが私の従来からの問題意識と反応して、ナルホド!を連発。

新しい技術が生まれる、それが社会(経済)に組み込まれる過程で既得権を失う勢力は反対する。 ここで止まってしまうと新技術は経済の中で生きない、前へ進むと、リソースの再配分という混乱の過程をへて新技術の能力が経済に組み込まれ経済は成長する(豊かになる)。

日本では国全体のコンセンサスが取れないとそこで止まってしまうが、米国では地域ごとに独立しているので各地域でコンセンサスをとってドンドン先へ行く。

ミルトン・フリードマンの市場に関するコメントと絡めると、日本で国全体のコンセンサスが必要ということは、日本では経済の分配の決定を政治に依存する程度が大きいのだろうとなる。 だから、市場を嫌う社会は技術革新の取り込みに不利で、その結果成長しづらくなかなか豊かになれない。

これで、ミクロな話がひとつマクロにつながった。


パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)

パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)