石油価格上昇は投機筋のせいか?

爆笑問題が司会をするテレビ番組で石油価格上昇は投機のせいだと議論なされていた。
自分が良く知らないことをやっているヤツを悪者に仕立てるのは簡単だが、投機で需給バランスから離れた価格まで引っ張れるものだろうか?
先物はSQで現物と結びつくから実需を無視した価格にはならないのじゃないか? ヘッジファンドが石油価格に強気で先物価格をドンドン吊り上げたとしてもSQまでに反対売買するだろうから*1実需無視の一方的な価格にはならないと思う。
石油タンクを持つヘッジファンドも存在するかもしれないが、実需に流れる石油を絞って値段を吊り上げられるのは石油タンクが満杯になるまでの間。 満杯になれば元の需給関係に戻るはず。

そのテレビ番組を見つつ私はこんなふうに思った。
日本が10年以上にわたり思考停止している間に、新興国が経済成長し石油消費が増大した。 一方、供給がそれに見合うほど増加しないならば需給がタイトになって価格は上がる。 日本経済が元気で世界の人々が欲しがる様なモノ・サービスを独占的に供給できれば円も強くて石油価格上昇は大して痛くなかった。 でも現実の日本経済はそうじゃないから、グローバルにみて(相対的に)貧乏になりつつあるのを、デフレ期には立場の弱い人がさんざん味わってきたが、グローバルインフレで国民全体が感じるようになったのだろう。

*1:さもないと石油を自分がつけた価格で買い取らねばならない