すべての経済はバブルに通じる
- 作者: 小幡績
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/08/12
- メディア: 新書
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その一 : 証券化ビジネスの本質 −−− 資産の流動性を増すことで新たな価値を生み出す
不動産はそれぞれがユニークで売るにも買うにも手間も時間がかかる。 投資家としては現金が必要なときにすぐに売れない。 すぐに売ろうとすると二束三文で買い叩かれるかもしれない。 そういう資産の価格は低めになる。
個別の不動産からのキャッシュフローを束ねて証券にし、証券を取引できるようにすると、原資産からのキャッシュフローが変わらなくても、流動性改善で流動性リスク減少ぶん価格が上昇する。
ここがサブプライムローンに限らず住宅ローンの証券化やREIT組成の動機であり、ローン債権の引き取り手が増えることでローン金利も下がり、実体経済を刺激する。
その二 : プロはバブルと感づいても降りられない
おカネの出し手(出資者)と運用者が別れていて、出資者が運用者の技術・能力を知る方法が運用成績のみの場合、運用者は同業のライバルよりも良い実績を出さないと出資者が資金を移してしまうかもしれない、そうなると、運用者はバブルと認識していてもライバルとの関係でリターンを追及する(過剰なリスクテイクをする)ことになってしまう。
そういえば藤巻さんが「最近のヘッジファンドは群れる」と(以前)書いていたことを思い出します。
リターンを追求して借り入れ(レバレッジ)で過剰なリスクテイクしてまちがった高値まで買い上げちゃった...。