黙って種まき 未来に大輪

昨日(6/6)の日経朝刊より、
過去10年で業績に四苦八苦しすっかり自転車操業的になった日本企業に対する熱いエール(?)としてか、日経は1面に

上場企業の中にも、市場の圧力に耐えながら、将来を見据えて黙々と種をまき続けた経営者がいる。
(中略)
雑草を抜き種をまく経営者は任期中には評価されにくいが、やがて大輪の花が咲く。 寡黙に未来への責任を果たす経営が、今こそ再評価されていい。

と書く。

私も同感だが、... 競争の厳しい今日のオペレーションが得意で、かつ、新しいイノベーションにも向いた気質の人(CEO, 社長)が、どのくらいいるだろうか、少ないのではないか。 本業に近いところはうまくいくかもしれないが、クリステンセンのイノベーションのジレンマのように根底からひっくり返すようなイノベーションの促進にはつらいだろう。

こう考えると、卓越したアイデアとやる気と才能を持つ人にリスクマネーを供給し、うまくいったら上場や既存大企業に売却するというアメリカのやりかたは、合理的だと思う。 ハイリスクの追求とオペレーションの規模や効率の追求とでは別々の気質・資質が求められるだろうし、それぞれに向いたリスクの取り方ができるし、会社の売買を通じてベンチャー側の人もリターンを得られるし、大企業は既存成熟事業のキャッシュフローで新たな大輪の花を手に入れられる。

うらやましいなあ、こういう仕組み。