シリコンバレーでの働き方
ほんらい怠け者の私がこのところ一生懸命仕事をしているせいか、疲れとフラストレーションが溜まります。 経済学の教科書を読む気力も出ず、気楽に読める読書に逃避中。
ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない) (朝日新書)
- 作者: 渡辺千賀
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/12/08
- メディア: 新書
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渡辺千賀さん、かつてこんなことを書いています。
http://www.chikawatanabe.com/blog/2002/11/prof_nishi.html
「日本は80年代半ばまで発展途上国だった。発展途上国の成功の仕組みと、先進国の成功の仕組みは違う」という西さんの言葉があった。80年代半ばでは、日本と米国では転職すると給料が倍になった、と。「発展途上国の成功の仕組み」は「安い人件費で、優れた品質の大量生産をする」ことだ。「安い人件費」という最初の条件は先進国になったらなくなってしまう。「優れた品質の大量生産」だけでは勝てないのだ。
西さんいわく「欧米と日本しか世の中になければ、良かったかもしれないが、日本にとっては残念なことに、他のアジアの国がかつての日本の成功のパスをぐんぐん追い上げてきた。しかも中国は当面人件費は上がらない。日本は80年代後半から『先進国の成功の仕組み』を身に着けなければならなかったが、それをしないまま現在になってしまった」と。
西さんは「これから日本も良いほうにいける可能性があるでしょう」とおっしゃっていた。でも、私は個人的には、「先進国の成功の仕組み」を身につける以外にも日本が復活する道はある、と思っている。それは、「人件費の安い発展途上国に戻る」ことだ。
「発展途上国への逆行」はアルゼンチンが20世紀のはじめの絶頂期から、長い長い時間をかけてたどってきた道でもある。20世紀のはじめ「ヨーロッパの次の覇権を握るのは米国だろうか、アルゼンチンだろうか」という議論までされるほど、アルゼンチンは豊かな国だった。しかしその後ずっと緩やかな衰退をし、ついに今クライシスに陥いっている。
クライシスは困るけど、国は、実は「発展途上国に戻る」という道もあるのだ。というか「戻っちゃう」ということも十分あるのだ。
「人件費の安い発展途上国に戻る」とか「戻っちゃう」とは鋭い!
2006年の春に フラット化する世界(上), フラット化する世界(下), ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書) を読んで以来、フラットな世界での自分のポジショニングを必死で考えていますが、職場の誰もがそういうわけでもなく*1、話がかみ合わず疲れますなあ。
*1:フラットな世界での生き方を意識しているのは私の周りでは少数派。