なぜUser Experienceが重要になったのだろうか

おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書) において 「User Experience = おもてなし」と中島さんはUser Experienceの重要性を強調するが、それに関して「『魂』の有無」という解説は有るものの、ロジカルな説明が省略されているように思う。
あれ?と思った良い機会なので自分なりに考えてみることにした。

  • 今日の半導体の集積度をもってすれば、人間が日常生活で欲するかなりの機能は実現できてしまう。 更にムーアの法則で安価になる。 実現可能な機能はいろいろ沢山あり過ぎて、機能の有無を覚えたり使い方を覚えるのが大変!。 そでも現代人の貴重なリソースは「時間」なので、なにかやるために時間をかけて学習しなくちゃいけないのは、ユーザーの機会費用がかかり結構高コスト。 高コストは売れない・競争上不利。
  • ユーザーが学習時間がとれなくて機能を利用できないならば、その機能は無いのと同じで、効用は低く、低価格でしか売れない。

どちらも供給側としてはもったいない話である。 技術で一工夫してUser Experienceが良ければ、競合を蹴散らし沢山売れる or より高価格で売れる。
だからUser ExperienceにAppleのようにちゃんと投資しなきゃいけない。 自前で準備できないところは技術を買うこともアリだ ... あれ?中島さんの会社のポジショントークみたいになってしまった。


別の観点では、個人ユーザ向け商品では基本機能が足りてしまった領域では「ファッション性」「見栄」「ユーザーの自己満足」の世界で勝負するのもありだろう。
User Experienceが良ければ、自分で満足できて友人に羨ましがられて更に嬉しくなれるという効用があるぶん、価格を高く設定できる。
そして、徐々に徐々にパリ・コレクションとかミラノ・コレクションといった世界に近づいていくのだろうか。