「なぜグローバリゼーションで豊になれないのか」 by 北野一 Part 1

マクロ経済というのは、中が見えない箱からつまみがいくつか出ていて、そのつまみが箱の中で歯車やベルトやばねやゴムでお互いにつながっていて、つまみAを右に回すとつまみBも右に回るが、Aを右に力強く回しつBを無理矢理左に回すとつまみCが左にまわる、こんなようなものだ、と最近感じます。 つまみとつまみとの間は「裁定」でつながっているケースが多いが、強く裁定が作用するケースもあるし、人々の認識が偏って弱いケースもある。 つまみ間の相互関係と裁定の強弱を知りたいなあ?、裁定の強弱を見つけ出す方法は何かなあ?、こんなふうに思っていました。


非常にロジカルな考え方をするJPモルガン証券の北野一さんがどんなふうにロジックを組み立てるのか? --- これまでずっと注目していました。 雑誌 ZAI、JMMの連載やマネックス証券で口座を持つと読めるJPモルガンのレポートは従来からありましたが、北野さんの考え方を学ぶのに便利なまとまったボリュームの本はありませんでした*1
そこに今回、実に興味深いタイトルの本がでました。



あまり勝手に期待しすぎるとがっかりするものですが、(勝手に盛り上がった)私の期待以上に面白い本でした。

  • 硬い基盤からロジカルに話を進め、
  • ブラックボックスの中に関しては、観察された事実と(その確率が高いであろうと思われる)仮説を明示した上で、ロジカルに関係を推定していく

こんなアプローチです。

  • 北野さんがベースとする基盤は何か、
  • 北野さんは「仮説&検証」アプローチを繰り返している
  • 仮説の作り方・考え方を学べる
  • 仮説のロジックがクリアならば自分のロジックの限界もクリアになる
  • 人々の認識が偏っている箇所や裁定が弱い箇所の見つけ方のヒントになる

こうわけで、この本はすごーーーく面白いと感じたのであります。

*1:連載やレポートを追いかけてエッセンスを抽出してもいいが、バタバタしながら斜め読みして肝心なところを忘れてしまうのです、私は...。