読書

「経済を動かす単純な論理」

多忙で教科書を読む気力が出ず気楽な読書に逃避していました。 経済を動かす単純な論理作者: 櫻川昌哉出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/04/24メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリック: 18回この商品を含むブログ (8件) を見る テーマは2つ。…

日本「半導体」敗戦 なぜ日本の基幹産業は壊滅したのか?

日本「半導体」敗戦 (光文社ペーパーバックス)作者: 湯之上隆出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/08/20メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 16人 クリック: 316回この商品を含むブログ (55件) を見る半導体のすぐ隣で半導体を使い、見つめ続けていた私…

小野善康「金融」

経済学の教科書を読んでもなかなかわかりづらいのが金融市場(リスク資産価格)と実体経済の関係であり、貨幣という不思議な存在。 ミクロ経済学の教科書には資産は表に出てこないし、マクロ経済学のIS-LMには納得感はあるものの何か重要な部分が欠けている…

アカロフ&シラーの「アニマルスピリット」

私は「合理的期待」仮説をかなり信じています。 なぜならば、人々はけっこう合理的だから。 しかし、100%信じているわけではありません。 なぜならば私自身に非合理な部分があることを知っているから。アニマルスピリット作者: ジョージ・A・アカロフ,ロバー…

金融 by 小野善康

金融 第2版 (現代経済学入門)作者: 小野善康出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/03/26メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 297回この商品を含むブログ (9件) を見る最近ビジネス書を読まなくなった私は代わりに教科書を読む。 ヘンかなあ。 金融と実体…

セイビング キャピタリズム

GWの読書として読み始めたら、これまたすごくおもしろい。セイヴィング キャピタリズム作者: ラグラムラジャン,ルイジジンガレス,堀内昭義,有岡律子,アブレウ聖子,関村正悟出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2006/01/11メディア: 単行本購入: 3人 …

Hot, Flat, and Crowded by Thomas Friedman

「グリーン革命」、トーマス・フリードマンにしてはつまらなそうな本だな、と書店の平積みの前を通りすぎていましたが、オリジナルのタイトルが"Hot, Flat, and Crowded"と知り、本の意味を理解しました。 (出版社はなぜ「グリーン革命」なんてダサいたいと…

「100年に1度のチャンスを掴め!」 by 藤巻健史 (4/25追記)

サブプライム・ローン問題とその後のマクロ経済に関して、藤巻さんのViewがロジカルかつ平明に*1書かれています。 これまでの本のなかで一番わかりやすいのではないでしょうか。 100年に1度のチャンスを掴め! (PHPビジネス新書)作者: 藤巻健史出版社/メーカ…

会社に人生を預けるな

「年功序列」と「源泉徴収」がなければ日本はもっと変わっているだろうに...、江戸時代モデルを戦国時代モデルにしたらうんと成長するだろうに...、と残念に思う私ですが、勝間さんは『人生のリスク管理』という点で「年功序列」をハイリスクと指摘。 会社に…

「ものつくり敗戦」 by 木村英紀

この刺激的なタイトルと刺激的な表紙に、製造業でエンジニアをやっているにもかかわらず「ものつくり」という言葉に胡散臭さを感じる私は思わず引き寄せられた。 実におもしろい本だった。 以下は私の読書メモ。ものつくり敗戦―「匠の呪縛」が日本を衰退させ…

「資本主義は嫌いですか」 読書メモ その3

藤巻さんは「米銀の株価をみよ」と言いますが、そのロジックは宿題(自分で考えよう!)でした。 この本の第3部で、そのロジックを自分なりに理解することができました。 資本主義は嫌いですか―それでもマネーは世界を動かす作者: 竹森俊平出版社/メーカー: …

「資本主義は嫌いですか」 読書メモ その2

資本主義は嫌いですか―それでもマネーは世界を動かす作者: 竹森俊平出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2008/09メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 153回この商品を含むブログ (79件) を見る カネの貸し借り 銀行を中心とした相対取引から証券を…

「資本主義は嫌いですか」 読書メモ その1

非常におもしろく勉強になった本。 資本主義は嫌いですか―それでもマネーは世界を動かす作者: 竹森俊平出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2008/09メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 153回この商品を含むブログ (79件) を見る 藤巻さんがまだ詳…

「急に売れ始めるにはワケがある」

日本が実体のあるモノのものづくりに熱を上げている間に、アメリカではITと近年の社会科学の成果を組み合わせ、サービスのイノベーションに力を注いでいたことを、痛感する今日この頃。 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミ…

「物理学者、ウォール街をいく」

気晴らしに読み始めたら結構印象深く面白かった。 理論物理に憧れ、南アフリカからコロンビア大学・大学院に進学しPh.Dを取得、ポスドクの不安定な身分で理論物理の研究を追求しようとしたものにポストに恵まれず、ベル研に応用分野のポジションを見つけたが…

雑誌・東洋経済の「2008年ベスト経済・経営書」より

東洋経済のアンケート結果に登場した本の中で私自身が読んで気に入った・感動した本を勝手にランキング。 私的には1位と2位が別格でgoodでした。 1位 まだブログに書いていませんが、感動するくらい面白かった。資本主義は嫌いですか―それでもマネーは世界を…

ロシア・ショック

ジム・ロジャーズは中国を評価しロシアに関してはボロクソですが、大前さんによれば、ロシアは (1)親日感情あり、(2)国民の教育水準は高い、(3)ロシア風だけど民主主義、(4)消費意欲高い、だから冷戦時代のステレオタイプの見方をやめて注目したほうがいいん…

市場リスク 暴落は必然か 原題 "A Demon of our own Design"

市場リスク 暴落は必然か作者: リチャード・ブックステーバー,遠藤真美出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2008/05/22メディア: 単行本 クリック: 65回この商品を含むブログ (31件) を見るこの本はめちゃくちゃ面白かった。 秋の半ばに買い既に2回も読んだ*1…

暴走する資本主義 by ロバート・ライシュ

個人は消費者、投資家、労働者という側面を持つが、グローバリゼーションと生産のイノベーションと規制緩和を通じて、消費者と投資家の立場が強くなり、企業は競争に直面し、企業のコストダウンの努力の結果、労働者の立場が弱くなっている。 グローバリゼー…

大破局(フィアスコ)

サブプライム問題が引き金になった今回の金融危機ではデリバティブが原因と言われるが、どういうデリバティブがどう悪さしたのか?メディアでは説明がありません。 先物、オプション、金利や通貨のスワップといったシンプルなものは教科書にでているが、そう…

強欲資本主義 ウォール街の自爆 雑感 つづき

11/23の続きです。 ファイナンス系の人はしばしば「モノ作り」を賞賛しますが、私にはそれが違和感として感じられてなりません。 神谷氏の主張は、ハイレベルの「モノ作り」こそが日本が進むべき道、米国の双子の赤字と日本のゼロ金利と円安が過剰流動性の原…

強欲資本主義 ウォール街の自爆

ウォール街にはとてつもなく強欲な連中がうじゃうじゃいて法で禁止されていない限り金のためなら何でもやる、手っ取り早くカネを儲けようとする、という話。 強欲資本主義 ウォール街の自爆 (文春新書)作者: 神谷秀樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/…

すべての経済はバブルに通じる

すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)作者: 小幡績出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/08/12メディア: 新書購入: 22人 クリック: 221回この商品を含むブログ (106件) を見るロジカルに読もうとするとわかりづらいと感じた本でしたが、私には次の…

ザ・ニューリッチ Richstan

貧富の差が拡大しているアメリカの新しい富裕層は全く別の国"Richstan"の住民のようだと気づいた著者が新富裕層を取材して書いた本。 遅ればせながら読んでみたら、結構おもしろかった。ザ・ニューリッチ―アメリカ新富裕層の知られざる実態作者: ロバート・…

経済再生の条件 by 塩谷隆英

6章、7章、8章が興味深かった。 以下はメモ。 40年不況対策の後遺症 日本共同証券と日本証券保有組合の保有株券の放出にあたり、資本市場の国際開放に備え外国企業に買収されることを嫌い、関係各社が引き取る。 → 株主の力が弱まり、従業員主権型企業となっ…

ニューノーマル 雑感 続

ニューノーマル―リスク社会の勝者の法則 を読みつつふと思った。ロジャー・マクナミーによれば 大規模のメリットの減少の結果、個人の力が強くなっている テクノロジーは個人の力を強化する領域に作用している。 そして、日本は匿名のネット文化(私もヘンテ…

経済再生の条件

6章、7章、8章が興味深かったのでメモ。 40年不況対策の後遺症 日本共同証券と日本証券保有組合の保有株券の放出にあたり、資本市場の国際開放に備え外国企業に買収されることを嫌い、関係各社が引き取る。 → 株主の力が弱まり、従業員主権型企業となった。6…

ニューノーマル by ロジャー・マクナミー

梅田さんの ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く! にてしばしば引用されていた投資家ロジャー・マクナミーの "THE NEW NORMAL : Great Oppotunities in a Time of Great Risk" の日本語版が出た。 長期のViewで投資する投資家、すなわち、社会や…

ガルブレイス 大暴落1929

サブプライムから始まる金融危機のおかげか、読みたいと思っていたガルブレスの古典「大暴落」が復刻?され、ラッキーと買ったのが昨日のこと。 ところが昨晩NYが大きく下げ、明けて今日、東京も大きく下げ...。 大暴落1929 (日経BPクラシックス)作者: ジョ…

双曲割引

誘惑される意志 人はなぜ自滅的行動をするのか作者: ジョージ・エインズリー,山形浩生出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2006/08/30メディア: 単行本購入: 18人 クリック: 344回この商品を含むブログ (104件) を見る 1年後に手に入る1万円は今手元にある1万円…